2017年5月1日月曜日

平成28年度 恵那市の消費生活相談の報告


39件の相談を受け付け

昨年度に受け付けた消費生活相談は39件。被害の総額は519万円でした。前年度との比較では、相談件数は9件減少し、被害額は243万円減少(H27年度被害額:762万円)しました。窓口で相談を受け付けた案件のうち、被害の救済が確認できたのは320万円でした。

70歳以上の高齢者の相談が全体の41%

消費生活相談のうち、70歳以上の高齢者の占める割合は41%(16件)でした。悪質商法の被害や通常の買い物での苦情など、高齢者の関わるトラブルの事例は増えています。特に独居の場合には相談が遅くなり、問題がより深刻になってしまう傾向があります。早期に相談があればクーリングオフなどで自己負担が無く解決できることが多いため、周囲の見守りにより相談窓口に連絡するような取り組みも必要です。

インターネット取引のトラブルは全世代

スマートフォンやタブレットなど、インターネットを介した契約に関するトラブルは、未成年者から高齢者まで全世代で増えています。インターネット通販は便利な反面、取引相手が遠隔地にあるためトラブルが生じたときには交渉に手間がかかることが多くなっています。インターネット通販事業者は連絡手段をメールに限定しているケースも多く、返信を待つ時間が長く解決が長引くという特徴もあります。
また、ワンクリック請求やブランド品の海外詐欺サイトなどの悪質な手口も多く、こうしたインターネット関連の詐欺で現金にて支払いをしてしまうと、相手方は海外であることもあって被害回復は絶望的です。ただし、決済にクレジットカードや電子マネーを利用した場合には決済事業者に届出することで返金が実現する場合もあります。初めて利用するサイトとの取引は現金支払いを避けるという対策は有効です。
インターネット取引については自発的な注文とみなされるため、法律でもクーリングオフが認められておりません。販売事業者が自主的に返品に応じるケースもありますが、注文をする側の消費者にも相当の注意が求められています。注文をする前に取引条件をよく読む習慣を身につけましょう。

解決が難しい商品・サービスの品質に関する苦情

いわゆる悪質商法とは異なり、通常の取引であってアフターサービスなどの問題で納得が出来ないという苦情も増えています。特に中古自動車の売買、家のリフォーム工事などで「期待した内容と違う」というトラブルが目立ちます。契約上の商品やサービスは提供されたが、その一部に納得がいかないという苦情ですが、互いに問題に対しての認識が異なって折り合わないことがあります。相談窓口やADR機関のあっせんにも限界があります。こうしたトラブルを予防するには、見積段階での打ち合わせを慎重に行い、契約書面をよく読むことです。
大きな金額の契約をする場合には、販売条件をよく確認し、家族とも相談をしたうえで決定して下さい。それでも不審なことが生じた場合には、早い段階で相談窓口へご相談下さい。