2011年7月28日木曜日

アダルトサイト等の閲覧で高額請求をされるトラブル(ワンクリック詐欺)

 インターネットのホームページや携帯電話のサイトを閲覧していて、興味本位に出会い系サイトやアダルトサイトを表示したら、いきなり有料となって料金請求の画面に切り替わったというトラブルが後を絶ちません。このように一回だけクリックした直後に不法な料金請
求がされるサイトのことをワンクリック詐欺(または架空請求)といいます。

 全く利用していないサービスなのに、いきなり料金の請求画面が表示されるとビックリしてしまうものです。しかも、「IPアドレスから住所が特定できるので、支払わないと訴訟をする」というような警告文もあったりして、怖くなって振込みをしてしまうケースも見受けられます。特に学生や若年層の社会人が、そのような架空の請求に驚いて消費生活相談の窓口に問い合わせをする事例は多いです。

 サービスの申込み手続きをしていないのに、一方的に料金請求をしてくるようなサイトは、ほぼ間違いなく悪質業者です。そんな請求に応じる必要はありません。料金請求の画面を目にすると、つい支払いをしなければいけないような気持ちになってしまうこともありますが、有料であることの承諾をした覚えがないのに支払いをする理由はないのです。
 電子消費者契約法では、サイトで売買契約を成立させるには事前に有料であることの表示をした上で、消費者が有料承諾のボタンをクリックする手順を設けることが義務づけされています。この有料承諾の手順を経ずに、一方的に料金を請求する画面が表示されるのは法的にも無効なのです。

 消費生活相談窓口の相談事例の中には、携帯サイトからアダルトサイト等を閲覧していて、次ページの案内をクリックしたら自動的に通話となり、その後に勝手にダウンロードが始まってしまい、数万円の料金請求をされたという報告もありました。この件でも、相談者は有料承諾のボタンはクリックしていません。
 解約をするためのフォームよりメール送信をしたら、折り返し業者より電話が入り、「支払わないとNTTに依頼して住所と勤務先を調べて家族や上司に請求する」と脅されたという相談もありました。

 こうした悪質サイトの料金請求に関する問題で、電話事業者やプロバイダが利用者の個人情報をサイト業者に教えることはありません。
 また、サイトに表示されるIPアドレスによって住所が特定されるのが不安という相談もよくありますが、このIPアドレスだけでは住所などの個人情報は把握できません。そのため悪質業者に住所や電話番号を知られるということもありません。

 このようにワンクリック詐欺は法的にも無効であり、それだけでは悪質業者に個人情報を取得されることもないのです。
しかし、悪質サイトに解約手続をしようと思って、住所・氏名・電話番号を業者に教えてしまうと、それを悪用されて架空請求の電話や請求書の郵送が相次いでしまいます。

 架空請求を行う悪質なサイトを閲覧してしまった場合には、絶対にサイト事業者に住所や電話番号を教えてはいけません。(閲覧者が個人情報を教えなければ、サイト業者からは連絡することができないのです。)
 脅しの請求画面は法的にも無効ですから、毅然として無視をすれば問題は起きないのです。慌ててサイト業者に連絡をすることは絶対に止めましょう。