2011年11月28日月曜日

契約は口約束だけでも成立する?

「口頭だけで商品を購入すると約束したが、これは有効になるものか?」

こういった問い合わせが時々あります。

民法では、申込みと承諾により契約は成立するとされており、契約書の有無は契約には影響しないのが前提となります。
つまり、口約束だけでも契約は成立するのです。
そのため、口約束を軽視して不誠実な対応をすると、損害賠償の問題になることもあります。

但し、契約の種類によっては書面で行うことが義務付けられているものもあります。
例えば、金銭貸借の保証人は書面を作成しないと無効となります。

その他にも、特定商取引法では以下の契約について重要事項を書面で発行することを義務化しています。

・訪問販売
・電話勧誘販売
・通信販売
・連鎖販売取引(マルチ商法)
・特定継続的役務(学習塾・語学教室・家庭教師・エステ・パソコン教室・結婚情報サービス)
・業務提供誘引販売取引(内職商法)

これらの契約で重要事項を記載した書面が発行されていない場合は、消費者はそれを根拠にいつでも契約を解除(クーリングオフ)することができるとされています。
その他にも、法律によって書面を発行することが義務付けられた契約はあります。

基本的には、契約は口約束だけでも有効に成立しますが、事業者と消費者の間の契約では、消費者を保護するために書面の発行が義務付けられているのです。

どちらにしても、契約をする場合には内容をよく検討するようにしましょう。