今回は、注意していただきたい電池による事故事例をご紹介します。
事例1 逆装填による破裂
懐中電灯の購入後、ボタン電池を装填したが点灯せず、その後、電池が破裂し、飛び出した。
→ ボタン電池を4個直列に装填する構造でしたが、1個を逆装填したため、電池が充電されて内圧が上昇し、破裂したものと推定されます。
事例2 新旧電池を混ぜた使用による液漏れ
ラジコンのコントローラーに使用していたアルカリ乾電池から液が漏れ、顔に付着した液でやけどを負った。
→ 新旧のアルカリ乾電池を併用したため、古い乾電池が過放電状態となり内部のガス発生に伴い内圧が上昇し、安全弁が作動して漏液したものと推定されます。
事例3 長期間保存による液漏れ
たんすの中に入れていた未使用のアルカリ乾電池が液漏れし、衣類等を汚した。その後、漏れた液(粉末)が付いた衣類を着用し、化学やけどを負い、かぶれた。
→ たんすにアルカリ乾電池を長期間保管していたため、液漏れが生じ、漏れた液が付着した衣類を着用したことにより、化学やけどを負い、かぶれたものと推定されます。
事例1、2のように、電池の逆装填や新旧電池の混同は破裂や液漏れの原因になります。極性を逆に(プラスマイナスを逆に)したり、新旧の電池を混ぜて装填しないでください。
事例3のように、保存期間や保存状態によって電池は液漏れすることがあります。電池には品種ごとに使用推奨期限が設定されているので参考にしてください。
PSマガジン(製品安全情報マガジン)2012. 5.22 Vol.169 から抜粋。
原文はこちらです。
http://www.nite.go.jp/jiko/psm/psm_vol169_120522.html