2012年8月20日月曜日

自作自演でウィルス感染のエラー警告を表示し、セキュリティソフトを買わせようとするサイトに注意

ユーチューブなどを閲覧中に誘導されたURLをクリックしたら、アダルト・コンテンツ等の架空請求の画面が表示されるワンクリック詐欺のトラブルは依然として多い状況です。

これと同じような手口で、誘導先のサイトにウィルスを仕組み、閲覧者がそのサイトにアクセスした直後にパソコンにエラー警告の画面を表示し、その修復のためにセキュリティソフトを買わせようとする詐欺的なサイトのトラブルが増えていることが国民生活センターより公表されています。

国民生活センター


上記の国民生活センター記事で公表された相談事例を下記に引用します。

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【事例1】「阻害要因を除去するためのソフト」を購入したが、インストールできない
 パソコンを立ち上げる度に、「画面に阻害要因がありそれを除去するソフトを買うように」と画面表示され、面倒臭くなって購入した。クレジットカードで決済してインストールしようとしたができなかった。すぐに解約しようとしたが、日本語対応の電話番号記載がない。インターネット上の書き込みを見ると悪質サイトだとも記載されている。クレジットカード会社に苦情を伝えたら、クレジットカードを破棄処分するように言われ手続きした。今後は引き落としされないが、払った2,700円はどうにかならないか。日本での相談窓口の案内がないこの業者は悪質ではないか。

【事例2】「システムエラーが発見された」と表示されたが、ソフトを入れても改善しない
 パソコンを使っていると「システムエラーが発見された」という表示が出た。改善する方法としてシステムを修復するソフトの案内があったので、インターネット通販で申し込んだ。ソフトをダウンロードしたが、同じ案内が表示される。再度、クレジット決済することになるので不審に思った。使用できず、請求だけされる詐欺のようなソフトだ。クレジット決済した代金2,200円は毎年自動的に引き落とされる。申し込んだ際の広告に「30日以内に満足できなければ返金する」との記載があった。キャンセルの申し出をメールで通知し、キャンセルを受ける旨の通知はメールで受けているが、今回の支払いを含め口座から引き落としになるのではないかと心配だ。

【事例3】ウイルス対策ソフトを入れているのに「ウイルス感染」のメッセージ
 自分でも市販のウイルス対策ソフトをインストールしているが、最近、パソコンを立ち上げる度にウイルスチェックをしているという別のサインが出る。アイコンをクリックしたところ、「ウイルスに感染しています。すぐに処置を行ってください。そのためには部品がいります。購入してください」というメッセージが出た。よくよくこの会社を調べると所在地はドイツにあることがわかった。クレジット決済は危険な感じがしたので、為替で前払いしようと思う。その前にこの会社の信用性が知りたい
(以上、引用終わり)
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サイトにウィルスを仕組んで、その修復のためにセキュリティソフトを売りつける自作自演の手口です。

しかも、セキュリティソフトを販売するサイトは、海外のドメインや国外事業者であることも多いようです。

これは国内法の適用を回避することを狙った悪質な手口ともいえます。
法の適用に関する通則法第11条では、消費者契約については国内法を適用するという特例を設けていますが、サイト事業者と連絡をとろうとしても日本語が通じず、結果として諦めざるをえないという状況もあります。

海外事業者との消費者トラブルについては、消費者庁越境消費者センター(CCJ)の相談窓口も設立されていますが、海外の消費者相談機関や消費者団体を通じた交渉になるので、問題を起こした事業者に対する直接的な強制力があるわけではありません。


国民生活センターの事例によれば、悪質な業者とのセキュリティソフトの購入契約でクレジット支払いをした場合には、クレジット会社の継続的な引き落としについては解約などの方法で中止することができますが、現状では既払い金の返還は難しい問題がありそうです。

まずは、このような詐欺的な手口にだまされないように、悪質サイトの事例と対策について知っておく必要があります。

独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)では、セキュリティ対策ソフトの押し売り行為に注意!!という注意喚起を行っています。


上記のリンク先には、この手口で表示される警告画面のイメージ図も確認できます。
また、こうしたウィルスによる警告画面を消すための修復手順も解説されています。
IPAの該当ページを参照して、こうしたトラブルに備えましょう。