2013年1月16日水曜日

電源コード等による事故

2013.01.15 Vol.184
PSマガジン(製品安全情報マガジン)
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE・ナイト)
製品安全センター

   ◇今回は、電源コードなどによる注意していただきたい事故事例をご紹
    介します。

   (事例1)【コードの断線による発火】

      電源を入れた電気毛布の電源コードから「パチパチ」という音が
      して発火した。

    → 毛布本体側の接続コードに屈曲等のストレスが繰り返し加わった
      ため、コード芯線が断線し、断線部でスパークが生じて発火した
      ものと推定されます。

   (事例2)【コードを素人修理したことによる発火】

      使用中の電気パネルヒーターのスイッチ付近から発火し、スイッ
      チ付近とじゅうたんの一部が焦げた。

    → 使用者が本体内部の電源コードを修理した際に、電源コードの接
      続が不完全であったため、接続部で接触不良が生じて異常発熱し、
      短絡・発火したものと推定されます。

   (事例3)【トラッキング現象による発火】

      木造2階建て住宅1階縁側(屋内)の、水槽用ヒーター2台とエ
      アポンプ1台を接続していた3口テーブルタップから出火し、縁
      側の床を焼いた。

    → 当該品に接続していた1台の水槽用ヒーターの差込みプラグの間
      に、ほこりがたまり、水槽からの水分等が侵入してトラッキング
      現象が生じ、発火したものと推定されます。

   (事例4)【定格消費電力オーバーによる発火】

      テーブルタップを接続していたコンセント付近から出火し、壁面
      を焼損した。

    → テーブルタップに定格消費電力を超える電気製品を接続していた
      ため、差し込みプラグ内部のコード芯線のカシメ部が異常発熱し、
      断線・スパークが生じて発火したものと推定されます。


    ◇事例1のように、様々な製品で電源コードなどの断線・半断線による
    スパーク・発火の事故が起きています。傷つける、引っ張るなどコー
    ドにストレスを加えないでください。

   ◇事例2のように、電源コードなどの不完全な修理は接続不良による異
    常発熱の原因となります。素人による電源コードなどの修理は行わな
    いでください。

   ◇事例3のように、コードのプラグ間のほこりが湿気を帯び電流が流れ
    炭化して、プラグ間が短絡し発火することがあります(トラッキング
    現象)。プラグまわりのほこりや汚れはこまめに取り除いて使用して
    ください。

   ◇事例4のように、テーブルタップに定格消費電力を超える電気製品を
    接続すると異常発熱の原因となります。テーブルタップに製品を接続
    する際は表示された定格消費電力を超えて使用しないでください。

   電源コードの火災により死亡に至る事故も発生しているため、取り扱い
   に注意してください。
   なお、NITEでは、電源コード及び配線器具による事故について平成
   24年10月18日に注意喚起を行いました。詳しくは、下記のHPを
   ご覧ください。

   「電源コード及び配線器具による事故の防止について(注意喚起)
    http://www.nite.go.jp/jiko/press/prs12101802set.pdf

http://www.nite.go.jp/jiko/psm/index.html