2013年2月13日水曜日

いすによる事故

2013.2.12 Vol.186
PSマガジン(製品安全情報マガジン)
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE・ナイト)
製品安全センター

   ◇今回は、いすによる注意していただきたい事故事例をご紹介します。

   (事例1)【組み立て時の不備により破損】

      浴室用いすを使用中、脚パイプが破損し、転倒した際に扉のガラ
      スにぶつかったため、破損したガラスで背中や腕に裂傷を負った。

    → 事故品を組み立てる際、脚パイプを座面に固定するネジの締め付
      けが十分でなかったことから、使用によりネジが緩み、脚パイプ
      のがたつきが拡大して亀裂が入り破損に至ったものと推定されま
      す。

   (事例2)【折りたたみいすの可動部への挟み込み】

      子供が折りたたんで置いていた折りたたみいすのフレーム部分に
      指を挟み、裂傷を負った。

    → 折りたたんで水平に置かれていた椅子を、子供が脚フレームを持
      ち上げるなどして遊んでいた際、持ち上がった座面に座ってしま
      ったため、連動した脚フレームが閉じ、交差部分で指を挟んだも
      のと推定されます。

   (事例3)【一部分への荷重集中による破損】

      介護施設で使用していたいすの肘掛けが折れ、座っていた要介護
      者がバランスを崩した。

    → 約7年間、取扱説明書に記載された誤った使用方法(人を座らせ
      たままいすを移動)を行ったことにより、座面と脚の接着面が耐
      えきれずガタが生じ、その影響で肘部の杖掛け部に荷重が集中し、
      最終的に材料が破断したものと推定されます。

    ◇事例1のように、使用者自身で組み立てるいすで、ネジの締め付けが
    不十分だったために、事故に至ることがあります。いすを組み立てる
    際は取扱説明書をしっかり読んで指示通りに組み立て、ネジはしっか
    りと締めてください。また、既成品でも少しでもぐらつきなどを感じ
    たら、ネジなどが緩んでいないか等確認して、そのままの状態での使
    用はやめてください。

   ◇事例2のように、折りたたみいすの可動部に指などを挟む事故が起き
    ています。可動部があるいすは取り扱いに注意してください。また、
    乳幼児による事故が多いので、遊んだりしないよう、目を離さないよ
    うにしてください。

   ◇事例3のように、誤った使用により一部分に荷重がかかりそこから材
    料が破断して事故になることがあります。偏って座ったり踏み台代わ
    りにするなどいすの一部分に負担がかかるような使用はやめてくだ
    い。

http://www.nite.go.jp/jiko/psm/index.html