2013年2月26日火曜日

ガスふろがま及び石油ふろがまの事故

2013.2.26 Vol.187
PSマガジン(製品安全情報マガジン)
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE・ナイト)
製品安全センター

   ◇今回は、ガスふろがま及び石油ふろがまの注意していただきたい事故
    事例をご紹介します。

   (事例1)【点火操作の繰り返しによるガス滞留】

      ガスふろがまのケーシングの一部が変形した。

    → 点火操作の繰り返し等により、未燃ガスが滞留し、異常着火した
      ものと推定されます。

   (事例2)【給気口等をふさいだことによる不完全燃焼】

      浴室で人の死亡が確認された。住宅は外壁の塗装工事中であり、
      廊下に面した窓やふろがまを収めるスペースの扉をビニールシー
      トで覆ってあった。

    → 使用されていたガスふろがまは一次排気筒が外れて隙間ができて
      おり、さらに建物は塗装工事中であり、給気口等がビニールシー
      トで覆われていました。その結果、不完全燃焼が生じ、一酸化炭
      素中毒に至ったものと推定されます。

   (事例3)【空だきによる発火・焼損】

      浴槽に水を張らずに石油ふろがまのスイッチを入れたため、空だ
      きになり出火し、循環パイプなどを焼損した。

    → 空だき防止装置のないふろがまを使用しており、浴槽内の水を確
      認せずに誤ってふろがまのスイッチを入れたため空だき状態とな
      り、火災に至ったものと推定されます。

   (事例4)【長期使用による経年劣化】

      石油ふろがまを使用中、火災が発生し、石油ふろがまが焼損し、
      1人がやけどを負った。

    → 長期間使用(約28年)に伴う排気経路の亀裂、給気経路の埃詰
      まり等による給気不足や灯油経路からの水・異物の侵入により、
      噴霧・着火・燃焼不良等でふろがま炉内の堆積物に未燃灯油がし
      み込み、この油の燃えた火が機器内に漏れてコード類に引火した
      と推定されます。

    ◇事例1のように、ガスふろがまはその他ガス機器同様に、点火操作を
    繰り返すと未燃ガスが滞留して異常着火することがあり危険です。
    火操作を行って、点火できなかった時は換気を行い、時間をおいてか
    ら再度点火するようにしてください。

   ◇事例2のように、給気口をふさぐと不完全燃焼が起こり一酸化炭素中
    毒による死亡事故の原因となります。給気口等をふさがないでくださ
    い。

   ◇事例3のように、空だきは焼損や火災に至る場合があります。浴槽に
    水を入れていても、栓が確実に閉まっていないこと等により、浴槽の
    水が抜けて空だきになることもありますので、注意してください。

   ◇事例4のように、ガスふろがま及び石油ふろがまは、長期使用による
    点火不良や異常燃焼、配管のゆるみや亀裂による燃料漏れ等の経年劣
    化事故が発生しています。異常を感じたら、メーカーや販売店に相談
    して点検を受けてください。またガスふろがま及び石油ふろがまは平
    成21年4月1日に「長期使用製品安全点検制度」における特定保守
    製品に指定されています。

http://www.nite.go.jp/jiko/psm/index.html